アルコール依存 酒に逃げ、30代で崩れた“普通の人生”

アルコール依存

アルコール依存──それは、気づかないうちに、人生を少しずつ食い潰していった。

就職失敗から始まった連鎖

新卒で入った会社を、わずか3ヶ月で辞めた。理由は明確だった。「この仕事、自分には無理だ」と思ったからだ。
しかし、そこからが地獄の始まりだった。再就職先も決まらず、派遣やアルバイトを転々とするうちに、履歴書には“続かない人間”という烙印が押された。だからといって、生活を立て直すこともできず、時間だけが過ぎていった。

支えてくれる人がいた…はずだった

とはいえ、当時は交際中の女性がいた。「大丈夫、あなたは悪くないよ」と言ってくれた。
それに救われ、ふたりで支え合えば何とかなると思い、結婚を決めた。
だが、実際はそんなに甘くなかった。収入は不安定で、将来の見通しも立たない。だからこそ、焦りが生まれ、心の余裕はどんどん削られていった。

崩れていく心と体、そして酒

仕事もうまくいかず、家庭もギスギスしていくなかで、唯一の逃げ場が“酒”だった。
最初は晩酌だった。それが、昼間からの飲酒になり、やがて「酒がないと不安になる」ようになった。
アルコール依存という言葉は、まさか自分に当てはまるとは思っていなかった。けれど、家族から「お願いだから、やめて」と言われたとき、自分の変化にようやく気づいた。

SNSでの発言が招いた炎上

実はその頃、自分の状況を発信したい一心でSNSを使っていた。
「社会が悪い」「会社に搾取された」そんな投稿が、ある日炎上した。
なぜなら、自分の責任を棚に上げた言葉が、多くの人の怒りを買ったからだ。
それが原因で、知人関係にもヒビが入り、さらなる孤立を招いてしまった。

誰かのせいにし続けた結果

つまり、すべては自分の弱さから始まったことだったのだ。
仕事が続かなかったのも、酒に溺れたのも、誰かのせいではない。
それでも、当時は「こうするしかなかった」と思い込んでいた。
けれど、冷静になって振り返ると、いくつも選び直せた場面があった。

後悔と伝えたいこと

今、元妻とは離婚し、家族も離れた。
人生をやり直したいと思っても、すぐに変われるわけではない。
一方で、あのとき酒に頼らず、心療内科の門を叩いていたら……とも思う。
ギャンブルや依存に手を出す前に、親や友人の声にもっと耳を傾けるべきだった。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


上部へスクロール